【BOSS Room】Vol.8 2026北中米W杯 ブラジルvs日本を観て no.1
- 3 日前
- 読了時間: 5分
2026年6月29日(月)10:40から週一回担当している大学の授業の中で、その日の夜に行われる(正確には6月30日(火)2:00)FIFAワールドカップ2026/北中米ワールドカップ決勝ト―ナメント1回戦ブラジルvs日本の分析と勝敗予想を話しした。
私はその時、よく日本が頑張ったとして1−2で日本が敗れると予想し、学生の前でそう思った根拠も添えて話しをした。ここでその時のことを話しするのは、何も予想が当ったということを自慢したい訳ではない。そして、過去の戦績・結果・選手の努力・スタッフの努力を非難するつもりも毛頭無い。その授業は“スポーツ指導法”という題名の授業で、今の時期は発育発達・年齢に応じた指導の重要性ということをテーマに授業を進めているところだった。その授業の中で日本のスポーツ界の風習・思考についての話をした時だった。
8年前のロシアワールドカップにおいて日本は決勝トーナメント1回戦でベルギーに2−3で敗れている。2−0でリードしてからの逆転負けで、3点目は試合終了直前のカウンターによる失点。この試合の後に「なぜ残り時間少ない時間帯でのコーナーキックで点を取り行ったのか?」「コーナーキックは(カウンターを受ける)リスクが大きいので2−2のまま延長戦に入り、そこから(仕切り直して準備を新たにして)戦う選択肢はなかったのか?」など様々な評論家の、どちらかと言えば批判的な論調が大半を占めたものだった。その試合時の日本チームの決断は、延長戦(15分ずつの前後半・30分の試合時間)に入るとエネルギー(持久力)が残っていないだろうということで、90分の試合時間内に勝負を付けに出るという方向にシフトしたとのことだった。しかしそれとて明確な指示(監督以下スタッフからの戦略的指示)があった上でのプレー選択ではなく、フィールド上の選手個々の判断による“90分でケリをつけよう”と言った、どちらかと言えば “そんな雰囲気” といった流れで最後のコーナキックで点をとりに行ったらしい。
一つ間違ってはならないことは、監督からの指示を待って、言われた通りにすることが全て良いことではなく、選手達が自らの考えで行動を起こすことは大変重要で素晴らしいこと。最終的にはこの選手発信の選択がなければ勝負事には勝てないと思っている。ただ選択した内容がTPOに間違わないこと、選択するゆえのエヴィデンスをたくさん持ち得ること、数ある選択肢の中から最適解をチョイスできるようにありたいということである。
ちなみにこれを書いているのは、7月3日(金)2:00。昨日決勝トーナメント1回戦、ベルーギーvsセネガルの試合が既に終えているところである。8年前に日本を破ったベルギーは0−2の劣勢から、もう時間が多くは残っていない86分に1点を返し、更にその3分後の99分に同点ゴールを奪い延長戦へと突入させた。そして延長後半20分、PKを獲得して3−2と逆転させ次戦にコマを進めた。奇しくも8年前と同じスコア(0−2)から逆転したことになる。終了間際で同点弾・勝ち越し弾を奪ったベルギーと終了間際(公式では後半50分)で逆転を許した日本。8年前と何も変わらず世界に挑んでいる両国となったことになる。
先にも書いたが代表の監督やスタッフ、選手の決断を避難するつもりはなく、事実を言うとすればそういうことだと言うことは抑えておいてほしい。
この事実を例にとってと言うという訳でもないが、私は元来日本国民がもつスポーツの思考・文化的背景・文化的思考はスポーツの戦略発揮という場面ではとてもマイナスに働いているのではないかと思っている。
もっと平たく言うと、『当たって砕けろ精神』『玉砕は美学』といった思考がスポーツ現場に浸透している気がしてならない。また、それらの思考に基づいたプレー(選択したプレーぶり)を幾度となく繰り返し、しかも同じこと(失敗)を繰り返し、悔しい思いに至っているように思えてならない。“幾度となく繰り返し悔しい思いになっている統計”をとってみた訳ではないのであくまでも私のフィーリングでしかないのだが・・・。
スポーツというものには失敗はつきもので、失敗の中から多くのことを学ぶものだ。しかし本来は勝って学ぶことのほうが学ぶべき項目は多くて良いはず。なぜならどんな大会でも一敗もせずに大会を終えられるのは優勝チームしかないのだから。つまり唯一無二の経験ができるのである。しかしながら昨今はトーナメント方式の大会だけではなくリーグ戦方式(負けたら終わりではないので負けと勝ちの両方を味わえる)の大会が多くみられるので、考え様によったらリーグ戦の方が負けて学ぶものと勝って学ぶものの二種類の学びがあるとも言える。だがそれならそれで学んだ数ほど実戦で生かさなければならない。いずれにせよ、選手やチームという集団はワンランク上のレベル、ワンランク上のカテゴリー・ステージでの戦いの場に進んで行きながら過去の経験を活かしていくからこそ世界大会の上位進出が達成できるのである。
しかし学びが得られる前に、当たって砕けたらダメであって、玉砕をしてはならないのである。『頑張っていたんだから負けてもしょうがない』では次には繋がらない。様々な準備をするということそのものに既に価値があるのであって負けからも学ぶには砕けてはならない。スポーツなのでどちらかが勝てばどちらかが負ける・・・これは致し方ないのだが、私が言いたいのはその戦いに挑むまでの準備期間・育成期間の重要性をどうとらえているか?ということである。
次に続く








コメント