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【BOSS Room】Vol.12  2026北中米W杯 "Zakkann " No.2

  • 7月23日
  • 読了時間: 5分

 日本サッカーの強み・特徴とされる “団結力” “集団のまとまり” “献身性” “まじめさ” は本当に日本の強みなのか?

 

 しかしながら何をもって団結している・まとまっている・献身性がある・・・と言えるのか?これらの答えを導き出す(確固たる)方法・基準・指標となる  “これだ” と言えるものが無いため、判定は難しくなり様々な論議があり意見は分かれるだろう。物事には何かしら判定するための “基準” “材料” となるものが無ければ、その有無も、その良し悪しも、その改善点も・・・相応の判定は難しい。感じることも考えることも思うこともそれぞれ違いがあるものだ。試合を指導する側(スタッフ&プレーヤー)・観戦する側(サポーター&メディア)・運営する側・・・立ち位置により大きくその判定・感じ方・思いは変わる。そのためにはせめてその判定材料が必要となる。それはサッカーの少し詳しい内容(戦術論や技術論etc)・試合の様相・選手のプレー振り・選手の立ち振る舞い・コメント・結果・数字で表れるデータ類などかもしれない。

 

 しかし人間は逆境や苦しい場面に遭遇すればするほどチームワーク力や仲間同志の協調力が湧いて出てくる。前もって試算した範囲をはるかに超えるほどの力となり、そして最後にはそれらが前面に押し出され膨大な力となって成果を見せる。それこそ献身性が決定打となり、まじめさが逆境を跳ね返し勝利を手繰り寄せたりする。そうなるとスポーツの理解やサッカーの理解を超越し、人を感動させ共感させ、やがては皆が同じ評価や同じ感覚に包まれていく。そうなると分かりやすく、難しい理屈は必要なくなる。

 

 

 実は私の想いとしては日本サッカーの強みと言われる“団結力” “集団のまとまり” “献身性” “まじめさ” と言ったものが日本だけの、日本が誇れるだけの強みであるのかと言えば、必ずしもそうとは言えないような気がしている。勿論過去の日本よりは強みになってきている気はする。言い換えたらスペインやアルゼンチンや・・・ベスト4・ベスト8に入ってくる強豪国が “団結力” “集団のまとまり” “献身性” “まじめさ” を持ち合わせていないのか?と言えば無いどころか日本以上に持ち合わせているように思える。

 パス&コントロールやキックスキル、戦術的な意思(戦術眼)、判断力、戦況分析力を持った選手達が、またその選手の集まり(集団)である各国代表チームが、日本以上にメンタルが強く、勝利に対する強い意志を持ち、統一性をもって行動し、仲間のために労を惜しまず、繰り返しプレー(連続性)を続けることができるとしたら・・・いくらレベルが上がった日本とは言えまだ手の届く所にはないと思う。

 また、ワールドカップという一つの大会をとってみてもタフに戦えるようにならなければ優勝は無い。世界の強豪国の選手達は5大リーグと言われるハイレベルなリーグに所属するチームでプレーしている選手が多い。5大リーグと言わないにしてもヨーロッパ・南米諸国のリーグレベルは高い。そんな環境下で前年の8月から年度をまたいで5月まで息つく間もなく気の休めない厳しいリーグを戦う。そして本来オフとなり体を休めリフレッシュしたい6月に事前キャンプを含めて2ヶ月間を家族と離れチーム関係者とともに過ごし、しかも大会に入ると中4日ペースでの連戦8試合を戦わなければならないのである。その期間中にチーム内の雰囲気が落ちてしまうこともあるだろう。仲間内でモチベーションが上がらないこともあるだろう。肉体的にもコンディションが上がらないこともあるだろう。内紛もあるかもしれない。監督に対して思うことも出るかもしれない。しかしそれらを各自で収めて優勝・名誉・誇り・自分史をかけて戦うのである。よく言われるのはグループステージ第1戦からトップフォームで戦っているようでは決勝まで余力は残っていないと。余裕をもって戦ってこそ8試合戦えるとするなら一層のスキルと戦術眼・判断力・・・それこそ“団結力” “集団のまとまり” “献身性” “まじめさ” が必要となるはずである。

 

 今回のアルゼンチンの戦いを観てみるとタフさを感じざるを得ない。Group League 3試合を3勝してKnockout Stageに進出したが、ラウンド32でのカーボベルテ戦(〇3-2)、準々決勝でのスイス戦(〇3-1)、決勝のスペイン戦と3試合で延長戦を戦っている。ラウンド16ではエジプトと3-2の打ち合いを制し、準決勝ではイングランドに終了間際での逆転勝ちと厳しい試合を戦っての決勝進出であった。

 そしてベースキャンプからの総移動距離は9,395kmとなっている。東京~マドリッドが約1万キロと言われるので、その距離を小刻みに何回にも分けて飛行機に乗って移動したことになる。


 一方スペインはどうか?Group League3試合を2勝1分でKnockout Stageに進出したが、ラウンド32のオーストリア戦(〇3-0 Possession64%)、ラウンド16ポルトガル戦(〇1-0 Possession 55% 91’決勝ゴール)、準々決勝ベルギー戦(〇2-1 Possession68% 88’決勝ゴール)、準決勝フランス戦(〇2-0 Possession51% 他のスタッツも拮抗)、決勝アルゼンチン戦(延長〇1-0 Possession65%)とフランス戦以外では相手よりかなりの割合でボール保持率で上回り、延長戦は決勝のみであった。しかしながら今回のスペインはベースキャンプからの総移動距離が16,785kmとなり、アルゼンチンの倍近くとなっている。これはこれで肉体的にも精神的にもタフさが求められる。このハンディーを背負っての優勝は素晴らしいと言える。(※スペインが参加国中最多移動距離。最少は8試合戦ったフランスの約5,500km)

 

 ではそんな中、両チームの試合と試合の間隔はどうだったかと言うとさほど偏りはなく決勝戦前のみ差が出た。(※下記表中の黄色の部分)平均すると中4日となっている。しかしの緩められない拮抗した試合を中4日ペースで消化していく事のタフさ加減は想像以上であろう。※日本人ではまだ経験した者がいない 野球の感覚に慣れている日本人は「毎日試合無いの?」と思ってしまうかもしれない。

 それだけエントリーした26名のレベルは、誰が先発出場しても変わらないチーム力を維持できるほどでないとワールドカップを戦えないと言う事であろう。そうなるとポリバレント性(複数の能力や性質を持つこと)も大切だがポジションごとのスペシャリストがいない事には拮抗したレベルは保たれないような気がする。


スペインとアルゼンチンの全8試合の試合間隔は以下の通り

 

GL 1

GL2

GL3

Round32

Round16

Quarterfinals

Semi-finals

Final

Spain

6/16

6/22

6/27

7/3

7/7

7/11

7/15

7/20

Argentina

6/17

6/23

6/28

7/4

7/8

7/12

7/16

7/20

 

次号続く



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