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【BOSS Room】Vol.7 トイレに思う

1月19日

更新日:1月21日

この度、トイレの改修工事が終了した。綺麗なトイレになったのは良いことなのだが、改修前のトイレのことを皆さんご存知だろうか?先代代表とコーチ陣(緒方コーチや江口コーチ達)が手作りで作ったもので、便槽から土台から貯水タンクから排水管から皆手作りで組み立てたものだ。その苦労を思うと取り壊すのを躊躇ってしまったことは否めない。先代とコーチ陣の理解を得てから改修を始めたことを最初にお伝えする。  さて、このトイレの使用開始日を1月17日にしたのは理由があってのこと。皆さんご存じだと思うが、28年前のこの日(1995年1月17日)は阪神・淡路大震災が起こった日でもある。死者6,434人/負傷者43,792/行方不明者3名が記録された類を見ない大災害。負傷者などはこの公式人数より実際にはもっと多いと思われる。この大震災に遭遇して兵庫県民・神戸市民は様々な苦難を乗り越え今日に至る。これだけの大災害を乗り越えて、今こうして何事もなかったように生きていること・生活できていることを我々は忘れてはならない。中には親族を亡くし、家屋を無くし・・・一言で済ますことが失礼に当たるくらいの苦境を経てきた人々は沢山いる。もしかしたら神戸市民は必ずや何某かの被害を受けていると言っても過言ではないかもしれない。  そしてこの震災はもう一つ、ライフラインの有難さを思い知らされた出来事でもあった。 https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/hanshin_awaji/earthquake/index.html  2023年1月1日時点のデータでは神戸市人口は1,508,208人となっている。今、この150万都市の4分の1(4人に一人)に当たる人口が震災後に生まれた世代になっているそうだ。この大震災を知らない世代が増えてきた今の時代に、私たち大人は何をするべきか?そしてサッカークラブは:ロヴェスト神戸はどうあるべきか?・・・大切な課題に向き合っていることに気づかされる。どこかでわかっていたように思っていたが具体的な数字を見ると危機感さえ覚える。  事細かく当時の震災の様子などを語り継ぐことも大切。しかしサッカークラブらしく学校現場とはまた違う立ち位置で震災の記憶と記録を語り継ぎ、サッカー選手としてどう立ち振る舞っていくべきか?・・・を教え導き行動に繋げていくことが大切ではないか?と思う。  数年前、兵庫県国体選抜チームを連れてドイツに行った時、少し足を延ばしてポーランド南西部にあるアウシュビッツ強制収容所に選手を連れて見学に行ったことがあった。現在はポーランドのクラクフ近郊にあるが、当時はドイツ領となっていたためそこに収容所が建設された。  アウシュビッツ強制収容所とは1933年の国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)の権力掌握以降、反ユダヤ主義国是となったドイツにおいて行われたユダヤ人、共産主義者に対する絶滅政策大量虐殺を行ったところ。第二次世界大戦勃発後、ナチス内部には「ヨーロッパにおけるユダヤ人問題の最終的解決」(世界はドイツ人で構成されることが正しい)を行おうとする動きが強まり、ドイツ国内や占領地にいるユダヤ人を拘束し、強制収容所に送り組織的に絶滅政策大量虐殺をおこなった。https://encyclopedia.ushmm.org/content/ja/article/auschwitz-1  アウシュビッツには日本人の公式ガイドが1名在籍されており、その方に敷地内のガイド(説明)をして頂いた。細かなことはリンクを観て頂きたいのだが、一番衝撃的だった言葉は、『ドイツはヨーロッパの中で唯一難民に対して受け入れを拒否していない国家』だと言う。それはアウシュビッツ時代の負の歴史が現代のドイツに背負せた十字架なのだと。そしてもう一つ、『ヨーロッパに在籍しているサッカー選手は必ずここにきて”人種差別”や”人類の歴史”を肌で感じ理解し、サッカー選手としての自分の使命を考え、日々の立ち振る舞いに置き換えているという。因みにこの公式ガイドさんが知る中でではあるが、ヨーロッパにいる日本人サッカー選手の中で、アウシュビッツを訪れたのは長谷部選手だけだそうだ。  さて、本題に戻す。  子供たちにとってサッカー選手になるということはとても大きな目標であり夢である。しかし決して叶えられないものではない。あのやんちゃでチームの練習がある日以外、ボールを蹴ったことのない小学生時代を過ごした我が息子でさえプロになれたのだから決して遠い夢ではない。だからこそ、子供達にとって叶えられない夢では無いが故に願っていることがある。  アウシュビッツを訪れるプロサッカー選手たちの様に・・・少年サッカー選手には・・・特にロヴェストの子供達には・・・兵庫・神戸が体験してきた過去の歴史を知り、感じ、そこから得たもの、肌で感じたものを自分のプレーやまた立ち振る舞いに生かせるようになってほしいと願う。何をするという訳ではないがその思考たるもの、やがて子供たちが成長するとともに言動に表れ、身に纏うオーラとして輝き放たれるものなのだろう。  未だ子供達には”オリジナル秘策トイレ”の仕組みは伝えていない。実はロヴェストグラウンドがある地域は、神戸市内にも2%しかない上・下水道が貫通していない地域。ロヴェストのトイレも家のトイレのように使用後は当たり前のように水を流すことができる様にはなっている。しかしこの水をロヴェストのコーチ陣は車で運んで来る。なぜなら上下水道は通っていないのだから。蛇口をひねって「ハイ、お水!」ではない。黄色の200リットル容量のタンクに水を移し、そこから手動モーターでトイレ天井裏にある貯水タンクに組み上げる。そこで初めて水の落下圧力で汚物を流すことができるという仕組みだ。  たかがトイレ、されどトイレ。各家庭にある清潔感満載のトイレという訳にはいかないが、ロヴェスト神戸グラウンドにあるこのトイレが見せる【ライフラインが乏しくても人間の生理現象・欲求に対処できる】ということを子供たちが感じ、重い十字架ならぬ・・・”ロヴェストの誇り”を感じ取ってくれたら嬉しいものだ。  申し遅れたが、このトイレは会員の皆様から頂いた2022年度年会費をすべて使用させて頂き作成したものです。




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